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2021/12/28 11:42

「これからは女の時代がくる!」

                  M.Ando




私が入社した頃、神戸の靴製造会社の企画をする女性はとにかく

少なかった。

企画室内は当時15人いたが女性は私一人。

ほぼ20代から40代の男性ばかりだった。

企画の仕事とはデザインだけではなく、木型に線を描き、

型紙におこし、裁断、縫製まですべてやらなくてはならず、

「デザイナー」というより「パタンナー」に近い。

だから女性が育ちにくい環境にあった。






とにかく男社会!今の世の中では考えられない

「パワハラ」「セクハラ」のオンパレード!

こうした環境の中で成長したお陰で、私の中の女性ホルモンが

少なくなっていったと確信している。


その中でも最強の「パワハラ&セクハラ」製造マシンのような

田村会長(当時は企画開発部長)だったが、でも他の部長とは

全然違った。

それは「女は強い。今から絶対女の時代がくる」と言い、

靴に対する熱い想いと時代の先を読むための情報収集など、

考え方はは当時から群を抜いていた。

(「女性の結婚適齢期は24歳から25歳に」というニュースが

流れるような時代)


「俺は男しか育てたことないんや。

どうして育てたら良いかわからん。一緒に考えてくれんか」と

熱い想いを聴き、とにかく熱くなるのが大好きな私は

「はい!先駆者になります!」と

わけもわからず、ただただ想いだけを胸一杯にし、

会長についていこう!と決めた。

それからというもの、通常の企画の仕事は基本だけ学び、

技術は鍛えず、それよりも市場リサーチやらコンセプトマップやら、

営業的なことなど、新しい企画の在り方を

会長に叱られながら模索していった。

本当に厳しかった。


泣いたことは数知れず。

でも例え99きついコトバしかかけてくれなくても、

たった1つの心にささるコトバを絶妙なタイミングで

言われてしまうので、ついていくしかなかった、

とも言えるだろう。





神戸こぼれ話


「おはようございますぅ」

靴の製造会社という事で、時々近隣の小学生の

工場見学というのがあり、

靴の材料や作る工程を見学して回るのだ。

その際、朝の挨拶がこれ!

音が出ないのが残念だが、とにかく最初は可愛くて

おかしくてたまらない。通常は「おはようございまーす」だと思うが、

関西は「すぅ」の最後の一文字が上がるのである。

地元を離れ各土地に行く楽しみはこういう小さな発見があるから。

朝の挨拶を傍で聞きながらハッピーな気持ちになっている

大人がいたなんて、子供たちは知らないだろうなぁ。